
ぼくの周りの不動産鑑定士がどんな会社で働いているのか、ということについて、深掘りしていきます。
先日に下記のツイートをしました。
不動産鑑定士の勤務先10選 1. 不動産鑑定事務所 2.コンサルティング会社 3. 監査法人・FAS 4. デベロッパー 5. 法人仲介 6. 店舗開発 7. 不動産ファンド 8. 大学職員 9. 銀行・信託銀行 10. リース会社 ブログで解説します!
1.不動産鑑定事務所
まず、王道の不動産鑑定事務所です。
不動産鑑定士試験に合格して、転職を目指す場合は、大半の人がここに行き着くと思います。
鑑定事務所は、個人事務所と大手事務所に分けられますが、その仕事内容は大きく違います。
- 個人事務所
- 地価公示などの公的評価
- 銀行からの担保評価
- 大手事務所
- 証券化物件の評価
- 賃貸等不動産の時価評価
✔︎ 個人事務所→将来独立しやすい✔︎ 大手事務所→サラリーマンとしてステップアップ
という基準で考えるといいと思います。
なお、後者でも、老後に独立開業をする人も見られますが、公的評価や担保評価を経験したことがないため、まともな鑑定評価書を書けないという人もいるみたいです(友人談)。
2.コンサルティング会社
後で述べる、FASを除いたコンサルティング会社です。
- 賃料改定コンサルティング会社
- 税理士と協業した資産税専門のコンサルティング会社
- CRE戦略専門のコンサルティング会社
などがあります。
下記に、具体的な企業を掲載するので、参考にしてみたください。✔︎ 賃料改定コンサル→ ビズキューブ・コンサルティング株式会社✔︎ 資産税専門コンサル→ フジ総合グループ✔︎ CRE戦略→ 株式会社プロレド・パートナーズ
いずれも、不動産の適正価格の把握が重要になってくるので、不動産鑑定士は活躍していますね。
3.監査法人・FAS
鑑定士になって5〜10年ほどの経験がある人が監査法人やFASにはいます。
大手事務所で真面目に鑑定業務に取り組んできた人がいる印象です。
仕事内容としては、下記のようなものです。
- 不動産会社・不動産投資会社(REITなどを含む)の監査サポート
- フェアバリューテスト
- 鑑定評価書レビュー
- CRE戦略支援
など。コンサル要素が強いですね。
余談ですが、大手事務所に努めると、たまに監査法人から鑑定の依頼があります。
ドラフト提出後に監査法人内の鑑定士から、「この賃料を算出した根拠は?」「土地の取引事例を見せてください」
などと質問が来たりしますので、しっかりと査定根拠を準備しておきましょう。
4.デベロッパー
デベロッパーに勤務している人が自己研鑽のために不動産鑑定士を取得する人がいます。
デベロッパーの仕事は、資格の有無とは関係ないので、目指す人が多くありません。
不動産運用会社(REITなど)に出向したことを機に、不動産鑑定士に興味を持って目指す人はいましたね。
ただ、デベロッパー業界は、総じて給料が高いので、資格を取るインセンティブが働かないという声も聞きます(直接は言いませんが、そんなニュアンスでしたね。)。
なお、私の勤めていた鑑定事務所からは、デベロッパーに転職する人は多かったですね。
財閥系への転職もみられました。
5.法人仲介
法人向けの売買仲介に従事する人、大規模のオフィスや物流施設の賃貸仲介(リーシング)を担当する人もいます。
鑑定士は、"儲かる" 資格ではないため、仲介業をやってインセンティブで稼ぐ人もいます。
そういう人は、鑑定には戻りたがらないと言いますね。
法人仲介担当で、鑑定士資格があれば、顧客からの信頼も増しますし、正直、稼ぐ手段としては、一番もってこいなのかなと。
6.店舗開発
周りに知り合いがいないので、よく分かりませんが。お許しください。
以下、エリートネットワークさんより、参考記事を引用します。
現在の自分の仕事は、新規出店の際の契約書確認業務、全国の駐車場の契約等の交渉、管理等です。いずれは、鑑定業務の手順における不動産の分析手法を応用するなどして、出店予定地の分析なども担当したいと考えています。
引用元: 株式会社エリートネットワーク様
7.不動産ファンド
REITや私募REIT、私募ファンドのアクイジション担当として活躍する人は多くいます。
大手のデベロッパーや信託銀行がREITや私募REITを設立していますが、鑑定士資格を持っている人は、それらの運用会社に出向などで行ったり、それを機にファンド業界にハマる人もいます。
また、不動産ファンドは、不動産鑑定士の転職先として、とても人気があります。
不動産ファンド関連の記事は下記を参照してください。
8.大学職員
日本で唯一、不動産学部を設置しているのが、明海大学です。
明海大学・大学院の教授には不動産鑑定士資格を持っている人もいますし、民間の鑑定事務所での実務経験がある人もいます。
不動産学部の職員(教授、准教授、講師)は、不動産鑑定士のキャリアパスとして、魅力的ですね。
9.銀行・信託銀行
下記のような職種で不動産鑑定士を見かけます。
- 銀行
- 担保評価担当者
- ノンリコースローン担当者
- 不動産ファイナンス担当者
- 信託銀行
- 鑑定評価担当者
- 不動産仲介担当者
信託銀行では、新卒の優秀な人向けに不動産鑑定士資格の補助制度がありますね。
10.リース会社
リース会社は、不動産ビジネスにおいて、銀行と似通った業務をやっていますが、銀行よりもエクイティが多い印象です。
私の知り合いの鑑定士も不動産のエクイティ担当として働いていました。
キャッシュフロー分析や、マーケット分析をするときに不動産鑑定の知識が役に立ちます。
まとめ
以上、不動産鑑定士の勤務先について、紹介しました。
とあるサイトでは、
商社、証券会社、投資銀行、保険会社、官公庁
などにも不動産鑑定士がいるとのことですが、ぼくの周りにはいないので、割愛しました。
不動産鑑定士資格を取ると、キャリアの幅が増えるので、是非チャレンジしてみてください。